パソコンの遅い、重いを改善する

パソコンの起動が遅い、動作が重いというのは、パソコンを使っていると最も直面しやすいトラブルの一つです。

毎回パソコンの電源を入れる度に、またWindowsが起動する度に起動や動作が遅いということもあれば、急に遅くなるということもあります。

パソコンというのは、ハードウェアとソフトウェアから構成されています。そのためパソコンのトラブルの多くは、この両面から考えていく必要あります。

パソコンの起動が遅い、動作が重いというトラブルは、ハードウェアとソフトウェアが関わる典型的なトラブルのひとつであり、大抵下記のものが原因として挙げられます。これらのうち1つが原因であったり、いくつかが関係していたりということもあります。

このページでは、パソコンの動作が遅い・重い場合の考えられる原因や対処法について紹介しています。

原因

1.パソコンのスペックが低い

パソコンはいくつかの部品・ハードウェアによって構成されていますが、その中でもパソコンの起動や動作速度に影響を与えるものとしては、CPU、メモリー、HDD・SSDがあげられます。

特にメモリーが4GB以下、OSがインストールされているストレージがHDDの場合は、スペックは低いと言わざるを得ません。

パソコンの使い方は人それぞれですので一概には言えませんが、よくあるパターンとしてセキュリティソフトや画像・動画編集ソフトの導入後にパソコンの動作が重い、ソフトウェアの処理が遅いというのがあります。

この場合、パソコンのスペックが追いついていないことがあります。まずは自分のパソコンのスペックを把握する必要があります。

2.常駐プログラムが多い

デスクトップ画面右下の通知領域をタスクトレイといいます。

ここには、セキュリティソフトなどに代表される常駐プログラムがアイコンで表示されています。常駐プログラムが多く起動していると、パソコンの立ち上がりが遅い、動きが重いということにつながります。

3.パソコンの不具合など

パソコンの故障の多くを占めるのはハードディスクです。動作が遅いという原因がハードディスクということもあります。

またハードディスク内のファイルが破損していたり、断片化を起こしていたりすると、パソコンの起動や動作に影響します。ハードディスクの空き領域が極端に少ない場合も同様です。

4.ウイルス、スパイウェアに感染している

今までセキュリティ対策をしていなかったり、またインターネットをしていると突然何かのポップアップ広告が出るとか、関係ないホームページが勝手に開くとかだとウイルスやスパイウェアに感染している可能性が非常に高いでしょう。

対策

1.パソコンのスペックが低い場合

すべての対処法のなかでもメモリーの増設は、一番はじめに検討したほうがよい項目といえます。

また以下の方法で、CPU、メモリーの負荷を軽減します。パソコンのデスクトップやスタートメニュー、タスクバーを整理し不要な表示をなくしていく、壁紙は Windowsが用意しているシンプルなものを使うことから始めます。現在利用しているセキュリティソフトが適切かどうかも検討する必要があります。 

2.常駐プログラムが多い場合

常駐プログラムはCPU、メモリーを消費します。不要な常駐プログラムは解除すべきです。

デスクトップ上の広告やツールも常駐プログラムとして動いてます。これらは確実にパソコンの動作を遅くします。アイコン以外表示させるべきではありません。

また複数のセキュリティソフトをインストールしているとパソコンのシステムが不安定になります。不要であったり期限切れであったりするセキュリティソフトや不要なプログラムは削除します。

常駐プログラムの解除は、Windows 7以前のOSはシステム構成ユーティリティで行います。

3.パソコンの不具合などの場合

ハードディスクの故障は、パソコンの動作を緩慢にすることがあります。場合によって、ほとんど操作ができないほど遅いということもあります。そのため、ハードディスクが物理的に問題ないかどうか検査する必要があります。

Windowsのメンテナンスをすることで、パフォーマンスが改善する可能性はあります。また、Windows UpdateでOSも最新の状態にすべきです。

アプリケーションの不具合で、CPUの使用率が常時100%になり、パソコンが操作できないほど重たくなるということもあります。

どのアプリケーションが原因となっているか タスクマネージャーで調べることができます。

またOSとアプリケーションを最小にして起動するセーフモードではどうか?を調べることで、パソコンの遅い原因がOSやアプリケーションによる影響によるものかどうか推測することができます。

CPUの排熱ができていない時に 処理速度が低下することもあります。

古いパソコンや年数の経ったパソコンで起きやすく、ファンの音がうるさい、排気口付近が熱いということがあります。

4.ウイルス、スパイウェアに感染している場合

ウイルスやスパイウェアは、パソコンの電源を入れると活動を開始します。

パソコンの起動が遅い、動作が重いだけではなく、デスクトップの画面やインターネットの最中に得体の知れない広告が出たりします。

Windowsがウイルスやスパイウェアに感染しているようであるならば、早急に対策をとるべきでしょう。パソコンの初期化・リカバリーは最後の解決手段となります。

他に考えられるのは、ネットワークにおけるなんらかの負荷です。セキュリティソフトやOSのアップデート、ウイルス等による通信量の増大など。LANケーブルを外しインターネットから遮断した状態でどうなるか?試してみる必要があります。

事例

パソコンが遅い、重いというトラブルの原因を事例が多いと思われる順にまとめています。このトラブルは必ず原因があるため、それを特定し対処することでパソコンの遅い、重いというトラブルを解消することができます。

  1. メモリーが少ない(2GBでは不足、4GBでも不足する傾向)
  2. ハードディスクが壊れている、不良セクタがある
  3. 常駐プログラムが多い
  4. ハードディスクの性能が低い(5400回転のものなど)
  5. 何かのソフトがバックグラウンドで動作している(CPU使用率が高い)
  6. セキュリティ対策ソフトが重い(メモリーが足りないことも原因)
  7. ウイルス・スパイウェアに感染している
  8. ハードディスクの断片化が進んでいる
  9. CPUの熱暴走で処理能力が落ちている
  10. Cドライブの空き領域が極端に不足している

特に着目すべき点は、4のハードディスクの性能、5400回転のハードディスクです。主にノートパソコンで使われています。

購入したばかりのパソコンや比較的性能のよいパソコン、例えばCPUがCore i5やi7、メモリーを8GB以上搭載しているパソコンでも遅いという場合は、この5400回転のハードディスクが関係していることが多くなっています。

5400回転のハードディスクに、CPUがCeleronやPentium、メモリーが4GBのような組み合わせになると、パソコンの動作が非常に遅くなることがあります。

セキュリティ対策ソフト

セキュリティ対策ソフト導入後、パソコンの動作が重いというトラブルは、しばしば起きます。

パソコン起動時にウイルスの簡易スキャンを行ったり、定期的にスキャン、アップデートが行われたりするため、パソコンの動作に影響を与えることがあります。

多少の動作速度の低下ならまだしも、極端に動きが重くなってかえって逆に利便性を欠いたりすることもあります。

前述したように、主な原因はパソコンのスペックの不足ですが、長期間続くようならセキュリティ対策ソフトを変更するというのも選択のひとつです。

ハードウェアの増設・交換

パソコンが遅い、重いというトラブルは、OS上で常駐プログラムの解除や設定のカスタマイズなどで一定の効果はありますが、それでもまだ動作が遅いという場合は、ハードウェアの増設や交換を検討すべきであるといえます。

ハードウェアの増設・交換で比較的簡単に行えるのはメモリーの増設になります。

他に考えられるものとしては、パソコンに内蔵されているハードディスクの交換もしくはSSDへの交換が挙げられます。

OS・プログラムは、ストレージにインストールされているため、Windowsの動作速度というのはストレージの性能に大きく左右されます。

OS・プログラムとストレージ

例えば、電源を入れてパソコンを起動する時には、ハードディスクにおかれているOSがメモリー上に読み込まれ、CPUが処理を行います。プログラムを起動させた時もハードディスクにおかれているファイルはメモリー上に読み込まれます。

OSやプログラムの起動では、常にハードディスクの読み込み速度が関係しています。

またソフトウェアのインストール、Window Update、リカバリーなどは、ハードディスクへの書き込みを行います。書き込み速度は書き込みにかかる時間、待ち時間と関係しています。

このようにストレージの読み込み速度・書き込み速度は、パソコンの起動や動作と密接に関わっているということが分かります。

特にSSDへの交換は、読み込み・書き込み速度が向上するため、数倍 高速化されることもあります。