パソコンの世代・性能が分かるチップセット

X79、Z77、H77、B75、Z68。

よくパソコン雑誌やパソコンショップで話題になる言葉ですね。

これはマザーボードに搭載されているチップセットを指しています。

パソコンの世界を先頭にたって進んでいるのは、Intelといっても過言ではありません。CPUもそうですが、チップセットもIntelが作っています。

新しいチップセットが出ると、その提供を受けてマザーボードメーカーがマザーボードを作り市場に出します。

チップセットは、あくまでマザーボードに搭載されているものであって、単体で市販されているというわけではありません。

場所

チップセットはマザーボード上にあります。

ATXにしろMicroATXにしろ、またメーカー製パソコンにも必ず搭載されています。

マザーボードマザーボード上のチップセット。2チップ構成と1チップ構成のものがあります。2チップ構成のノースブリッジ(上)とサウスブリッジ(下)。


サウスブリッジ最近のマザーボード。Core iシリーズの登場から CPUがグラフィック機能を内蔵するようになり、従来のノースブリッジがなくなり 1チップ構成になりました。

X79、Z77、H77、B75、Z68などは ここのことです。


ヒートシンクチップセットは、CPUほどではありませんが 発熱するためヒートシンクが上に取り付けられています。


チップセットヒートシンク下のチップセット。CPUに見た感じが似ています。マザーボードに組み込まれています。

ノースブリッジとサウスブリッジ

チップセットにはどういう機能があるのでしょうか?

チップセットは、複数の半導体チップ(LSI)で成り立つ集積回路です。マザーボードに接続されている機器(CPU、メモリ、グラフィックボード、LAN)のデータの受け渡しを管理しているところです。

ですからこのチップセットが新しいほど、性能も上がってくるということになります。

チップセットはマザーボードの性能を決めるといわれています。チップセットによって搭載できるCPUやメモリー、SATAの数や規格が決まってきます。

2チップ構成

現在のチップセットは1チップ構成なのですが、以前は2チップ構成でそれぞれのチップセットで役割分担をしていました。

ノースブリッジ
ノース(北)なのでマザーボードの上にあるチップセットです。

ノースブリッジはCPUの近くにあります。このチップは、メモリや内蔵グラフィック、グラフィックボードなど高速な処理が必要な部品を担当します。ノースブリッジがCPUに近いのは少しでも高速な処理を行うためです。

メモリコントローラハブ 略して MCH、グラフィック機能(GPU)を内蔵しているものをGMCHといわれていました。

サウスブリッジ
サウス(南)なのでマザーボードの下にあるチップセットです。

サウスブリッジは、ハードディスク、光学ドライブ、キーボード・マウス、USB、LAN、オーディオなど比較的低速でも大丈夫な部品を担当しています。

I/Oコントローラー・ハブ 略して ICHともいわれてました。

PCH

ノースブリッジは、Core iシリーズが登場した頃から CPUが担当することになりました。よってノースブリッジそのものがマザーボード上からなくなりました。

1チップ構成

1チップ構成になってからは、ICHではなく Platform Controller Hub 略して PCHといいます。

またマザーボード上のCPU、メモリー、LAN、ハードディスク、USBなどの機器とチップセットを結ぶそれぞれの回路をバスといいます。


IntelとAMD

チップセットは主にIntel、AMD、NIVIAが製造していますが、シェアが高く自作パソコンでも人気があるのは断然 Intelのチップセットになります。

これから自作する場合も、Intelのチップセットが搭載されたものを選んだほうが、マザーボードにしろCPUにしろ選択肢が広がります。

チップセットによって接続できるCPUが決まるので、原則としてIntelのチップセットが搭載されたマザーボードなら Intel製のCPU、AMDのチップセットが搭載されたマザーボードなら AMDのCPUしか取り付けることはできません。

またIntelのチップセットならどんなCPUでもいいのか?というわけでもなく、対応したソケットのCPUのみ取り付けることができます。

Intelのチップセット 種類・歴史

チップセットにはたくさんの種類があります。

ただこれから自作パソコンを作っていく場合は、市販されているマザーボードのチップセットのみ把握するだけでいいかと思います。

以前のチップセットは予備知識として知っておくといいでしょう。世代が違うとCPUソケットやメモリーの規格が違ってくるのが分かります。

下記はマザーボードに搭載されてきたIntelのチップセットです。(上が新、下が旧、左から主な対応CPU、主な対応メモリ、インターフェースなど)

LGA1151(2015年)

  • Z170・・・・・Skylake、DDR3L・DDR4、PCIe M.2、SATA3.0
  • H170・・・・・Skylake、DDR3L・DDR4、PCIe M.2、SATA3.0
  • B150・・・・・Skylake、DDR3L・DDR4、PCIe M.2、SATA3.0
  • H110・・・・・Skylake、DDR3L・DDR4、PCIe M.2、SATA3.0

LGA2011-v3

  • X99・・・・・Haswell-E、DDR4、PCIe M.2、SATA3.0

LGA1150

  • Z97・・・・・Haswell・Broadwell、DDR3、PCIe M.2、SATA3.0
  • H97・・・・・Haswell・Broadwell、DDR3、PCIe M.2、SATA3.0
  • Z87・・・・・Haswell、DDR3、SATA3.0
  • H87・・・・・Haswell、DDR3、SATA3.0
  • B85・・・・・Haswell、DDR3、SATA3.0
  • H81・・・・・Haswell、DDR3、SATA3.0
  • B81・・・・・Haswell、DDR3、SATA3.0

LGA2011

  • X79・・・・・Sandy Bridge-E・Ivy Bridge-E、DDR3、SATA3.0

LGA1155

  • Z77・・・・・IvyBridge、DDR3、SATA3.0
  • Z75・・・・・IvyBridge、DDR3、SATA3.0
  • H77・・・・・IvyBridge、DDR3、SATA3.0
  • B75・・・・・IvyBridge、DDR3、SATA3.0
  • Z68・・・・・Sandy Bridge、DDR3、SATA3.0
  • P67・・・・・Sandy Bridge、DDR3、SATA3.0
  • H67・・・・・Sandy Bridge、DDR3、SATA3.0
  • Q67・・・・・Sandy Bridge、DDR3、SATA3.0
  • B65・・・・・Sandy Bridge、DDR3、SATA3.0
  • H61・・・・・Sandy Bridge、DDR3

LGA1366

  • X58・・・・・Nehalem Core i7 900番台、DDR3

LGA1156

  • H57・・・・・Nehalem、DDR3
  • H55・・・・・Nehalem、DDR3
  • Q57・・・・・Nehalem、DDR3
  • P55・・・・・Nehalem、DDR3

LGA775

  • X48・・・・・FSB(1600/1333/1066/800)、DDR2
  • X38・・・・・FSB(1333/1066/800)、DDR2
  • P45・・・・・FSB(1333/1066/800)、DDR2
  • G45・・・・・FSB(1333/1066/800)、DDR2
  • Q45・・・・・FSB(1333/1066/800)、DDR2
  • P43・・・・・FSB(1333/1066/800)、DDR2
  • G43・・・・・FSB(1333/1066/800)、DDR2
  • G41・・・・・FSB(1333/1066/800)、DDR2
  • P35・・・・・FSB(1333/1066/800)、DDR2
  • G35・・・・・FSB(1333/1066/800)、DDR2
  • G33・・・・・FSB(1333/1066/800)、DDR2
  • Q35・・・・・FSB(1333/1066/800)、DDR2
  • P31・・・・・FSB(1066/800)、DDR2
  • G31・・・・・FSB(1333/1066/800)、DDR2
  • P965・・・・・FSB(1066/800/533)、DDR2
  • G965・・・・・FSB(1066/800/533)DDR2
  • Q965・・・・・FSB(1066/800/533)DDR2
  • 945P・・・・・FSB(1066/800/533)、DDR2
  • 945G・・・・・FSB(1066/800/533)、DDR2
  • 975X・・・・・FSB(1066/800)、DDR2
  • 915P・・・・・FSB(800/533)、DDR2
  • 915G・・・・・FSB(800/533)、DDR2

Socket478

  • 875P・・・・・FSB(800/533)、DDR
  • 865P・・・・・FSB(533/400)、DDR

チップセットが2チップ構成から 1チップ構成に移行していくのは、P55・LGA 1156、Core iシリーズ が出てきた時期になります。

この頃から ノースブリッジのグラフィック機能はCPUに統合され Intel HD Graphicsになっていきます。

ノートパソコンでは HM57、HM67など モバイルのMが付くことが多くなります。デスクトップ版とチップセットの基本的な設計は同じですが CPUソケットや詳細な仕様は異なります。

大きな節目

CPUソケットが変わるときは 大きな節目になります。

これは Intelがチップセットの性能や役割を刷新するときです。

例えば P45・X38・X48→P65でLGA775からLGA1156への変更、CPUは Core iシリーズが出てきました。

またH57・X58→B75で LGA1156からLGA1155への変更、SATA3が始まります。

節目となるときは CPUソケットが変わることが多く、パソコンの性能もその時に一段階上がるという感じです。

グラフィックボード

チップセットによっては グラフィックボードが必要なものもあります。

例えば P67、P55、P45、P35、X99、X79、X58、X48、X38などです。

こういうチップセット搭載のマザーボードには マザーボードに映像出力端子がないので グラフィックボードが必要になります。

またH57、H55、Q57は、CPU内蔵グラフィックで映像出力しますが、内蔵グラフィックがないCore i 700番台~800番台では グラフィックボードが必要になります。

チップセットやCPUの内蔵グラフィックの有無や、マザーボードの端子の有無など確認しなければならない時はあります。

チップセットの性能

チップセットを搭載したマザーボードは 同時期に性能別にまとめて発売されることが多くなっています。

例えば Z170、H170、B150。またZ77、Z75、H77、B75のようにです。

オーバクロックができるかどうか? RAIDが構築できるかどうか?接続できるSATA3ポート数、PCI-Eのレーン数など細かい性能に違いがあります。

単純に比較すると Z170>H170>B150、Z77>Z75>H77>B75のようになります。

現在 Zが付くチップセットは CPUのオーバークロックができるようになっています。またBはビジネス向けの略です。

なんでも揃ってるのがZ、少し省いたのがH、必要最低限のものがBのようになります。ただBとはいっても 十分な機能があります。

シリーズ名

チップセットは シリーズ名でよばれることもあります。

チップセットのシリーズによって 性能や世代が分かります。

  • Intel 100シリーズ・・・Z170、H170、B150、H110
  • Intel 9シリーズ・・・X99、Z97、H97
  • Intel 7シリーズ・・・Z77、Z75、H77、B75

シリーズ名は チップセットの数字を見ると分かります。

チップセットとCPUの関係

それぞれのチップセットには対応CPUがあります。

Intelが「パソコンを刷新するので 今回はこのチップセットでいきます」とまずチップセットを出します。

そして「実際の仕事は このCPUがするから これを使いなさい」と。

通常 チップセットとCPUはセットになって出てきます。

チップセットとCPU

CPUだけ単体で出てきたなら 現在リリースされているチップセットで使うCPUということです。

チップセットが新しくなるのに合わせて CPUも世代が進んで性能がよくなっていきます。

  • Nehalem・・・初代 Core iシリーズ
  • Sandy Bridge・・・第二世代 Core iシリーズ
  • Ivy Bridge・・・第三世代 Core iシリーズ
  • Haswell・・・第四世代 Core iシリーズ
  • Broadwell・・・第五世代 Core iシリーズ
  • Skylake・・・第六世代 Core iシリーズ

慣れてくると CPUソケットの規格やCPUが分かれば ある程度使われいるチップセットも分かります。

いずれにしても チップセットとCPUは切り離して考えることはできません。

例えば 中古パーツ店で Core i7を見つけたとします。

この場合、対応しているCPUソケットは何か?チップセット=マザーボードはどれか?と考える必要があります。

ハイエンドなチップセット

X58、X79、X99は、同じ世代のチップセットの中でも 性能が高いチップセットで、CPUソケットも異なります。

ハイエンドなパソコンで使われる特別なチップセットです。

  • X99・・・LGA2011-v3、第四世代 Haswell-E
  • X79・・・LGA2011、第二・第三世代 Sandy Bridge-E・Ivy Bridge-E
  • X58・・・LGA1366、初代 Core i7 900番台

トリプルチャネル(メモリー3枚1組)、クアッドチャネル(メモリー4枚1組)、グラフィックボード4枚使用など 通常のチップセットではできないことが可能であったりします。

取り付けることができるCPUが限られていて CPUソケットが違う、Core i7だが6コアや8コアなどになります。


AMD

AMDのチップセットも メーカー製パソコン、BTOパソコン、自作パソコンでしばしば使われています。

Intelのチップセットと考え方と同じです。

AMD

  • A55・・・・・Socket FM1、DDR3
  • A75・・・・・Socket FM1、DDR3
  • 970・・・・・Socket AM3+/AM3、DDR3
  • 990X・・・・・Socket AM3+/AM3、DDR3
  • 990FX・・・・・Socket AM3+/AM3、DDR3
  • 890FX・・・・・Socket AM3、DDR3
  • 880G・・・・・Socket AM3、DDR3
  • 870・・・・・Socket AM3、DDR3
  • 890GX・・・・・Socket AM3、DDR3
  • 790GX・・・・・Socket AM3/AM2+/AM2、DDR3
  • 790FX・・・・・Socket AM3/AM2+/AM2、DDR3
  • 790X・・・・・Socket AM3/AM2+/AM2、DDR3
  • 785G・・・・・Socket AM3/AM2+/AM2、DDR3
  • 780G・・・・・Socket AM3/AM2+/AM2、DDR2
  • 780V・・・・・Socket AM3/AM2+/AM2、DDR2
  • 770・・・・・Socket AM3/AM2+/AM2、DDR2
  • 740G・・・・・Socket AM3/AM2+/AM2、DDR2
  • 690G・・・・・Socket AM2、DDR2
  • 690V・・・・・Socket AM2、DDR2
  • 580X CrossFire・・・・・Socket AM2、DDR2
  • 480X CrossFire・・・・・Socket AM2、DDR2

チップセットを調べる

自分のパソコンのチップセットを知ると、どのへんの世代のパソコンなのか?どういうCPUソケットなのか?メモリーの対応などを調べることができます。

フリーソフトを使用するとメーカー製パソコンでも自作パソコンでも、自分のパソコンがどのチップセットを搭載しているか調べることができます。