高速なデータ転送規格
PCI-Expressは、グラフィックボード(ビデオカード)、その他拡張カード、NVMe SSDなどで使われている高速なデータ転送規格のこと。略して PCIe、PCI-Eのように表記されることもあります。PCI-Expressが登場するまでの規格はAGPですが、旧規格であり現在はほとんど使われていません。
PCI-Expressは、CPUやマザーボードのチップセットによって管理・制御されており、マザーボード上には PCI-ExpressスロットやM.2スロットなどが用意されていることがあります。
PCI-Express スロット
PCI-Expressにはx1、x4、x8、x16などの種類があり、このうち最も高速な転送速度を持つ x16がグラフィックボードの接続に使用されています。

PCI-Express x16のグラフィックボード。端子の左から2cmぐらいのところに切り欠きがあります。
PCI-Express x16 スロット。グラフィックボードはここに接続します。
PCI-Express x1のスロット。グラフィックボード以外の拡張カードで使うことがあります。
切り欠きに対応した部分が右寄りにあるのは、PCIスロットです。近年のマザーボードでは、実装されなくなってきています。
今後 PCI-Eに移行していくものと考えられます。
マザーボード側のx16スロットに、これら x4やx1の拡張カードも増設は可能です。この場合、転送速度は x4 x1など増設したパーツに合わせられます。ただ x4やx1のスロットは、マザーボード上にPCI-Express x16のスロットとは別に用意されていることが多いため、通常はそこに増設することが一般的です。
スロットの種類や数、場所はマザーボードによって異なります。
レーン
x1、x4、x8、x16はレーンともいいます。
送信用と受信用のデータ伝送路を2本束ねたもので、レーンを複数束ねることで、高速にデータを転送することができます。例えると道路の車線です。1本より4本、4本より16本の方が車の流れは早くスムーズです。
PCI-Express x16のスロットは16レーン使えて、PCI-Express x1のスロットは1レーン使われています。
このレーンの数、総数は、CPUとチップセットが統合的に管理しています。
デスクトップ用の標準的なCPUは、16レーンをもっており PCI-Express x16のスロットにグラフィックボードを取り付けるとCPUの管理するレーンが使われます。基本的にCPUの16レーンというのは、PCI-Express x16スロットのグラフィックボード用になります。
一般的にどんなマザーボードでも、グラフィックボードやサウンドカードなど複数の拡張カードを増設できる分のレーン数は確保されています。
PCI-E スロットやレーン数の仕様は、CPU・チップセットやマザーボードによって異なってきます。
M.2 スロット
グラフィックボードや拡張カードの他に、PCI-Eで動作するデバイスにNVMe SSDがあります。
PCI-Expressのスロットとは別に、M.2スロットがあり ここに取り付けて使います。
M.2スロットとNVMe SSD。
主な動作転送モードは、PCI-E×4であり 4レーン使います。
マザーボードの仕様やグラフィックボードの接続状況などによって、CPU経由かチップセット経由のいずれかのPCI-Expressが使われます。
通常はチップセットのレーンを使いますが、Intelの第11世代・第12世代以降、AMDの一部のCPUなどでは、従来の16レーンから20レーン以上に増加しており、マザーボードの仕様によっては NVMe SSDがCPUのレーンで使われることもあります。
世代
PCI-Expressには 2.0や3.0という世代があります。理論的な転送速度に違いがあります。
- PCI-Express 1.1・・2.5Gbps
- PCI-Express 2.0・・PCI Express 1.1の約2倍、5Gbps
- PCI-Express 3.0・・PCI Express 2.0の約2倍、8Gbps
- PCI-Express 4.0・・PCI Express 3.0の約2倍、16Gbps
PCI-Express 3.0や4.0は、PCIe 3.0やPCIe 4.0、あるいは世代 Generationを略して、GEN3やGEN4と表記されることもあります。転送速度は、1レーンあたりの片方向の速度を示しています。
現在のマザーボードやグラフィックボードで使用されているものは、ほとんどがPCI-Express 2.0や3.0のものになりますが、Intelの第11世代のCPUとチップセット、AMDの一部のCPUとチップセット、グラフィックボード、NVMe SSDなどでPCI-Express 4.0に対応しているものがあります。Intelの第12世代は、PCIe 5.0に対応しています。
また基本的に互換性があるので、PCI-Express 3.0のグラフィックボードを2.0のスロットに、またPCI-Express 2.0のグラフィックボードを3.0のスロットに増設して使用することができます。下位互換となり いずれか低い世代の方に速度は合わせられます。
ただM.2スロットでは、CPUやマザーボードの兼ね合いで PCI-E 4.0のNVMe SSDのみ使用可ということもあり、一概に互換性があるとはいえないこともあります。
Thunderbolt
Thunderbolt(サンダーボルト)は、IntelとAppleが共同開発した高速なデータ転送技術で、主にAppleのMac製品に実装されています。
Thunderbolt 3/4/5は、コネクタの形状がUSB-Cで データ転送、映像出力、給電、USB-Cとの互換性などの機能があります。データ転送に関しては、機器やケーブルが対応していれば PCI-Eが使われるのが特徴です。
- Thunderbolt 3・・PCIe 3.0 ×2(あるいはPCIe 3.0 ×4)
- Thunderbolt 4・・・PCIe 3.0 ×4
- Thunderbolt 5・・・PCIe 4.0 ×4
そのため、eGPU(外付けのグラフィックボード)、NVMe SSDなどが使われることがあります。NVMe SSDに関しては、PCIeにより性能をほぼ落とさずに使用できるということになります。
つまり Thunderboltというのは、本来はPC内部のPCI-Expressというデータ転送規格を、USBのように外部に接続できるようにした技術・規格であるということができます。
ただ、ThunderboltのPCIeを使った高速なデータ転送は、機器やケーブルの対応などが前提となっています。