無線LAN通信の主流の規格

無線LANの2.4GHzと5GHzでは、以下の通信規格が使われています。

無線LANの規格

いずれも IEEE 802.11(アイトリプルイー 802.11)として定められています。IEEE 802.11nやIEEE 802.11acなどと表記され 11nや11acのように略されます。

11b・11g・11aは旧規格で、11n・11ac・11axが現在主流の規格として使われています。また新たな電波帯域として 2022年に6GHz、最新の通信規格として11beも登場しています。

世代

無線LANの通信規格は、新しいほど転送速度は向上しています。(上が旧、速度は規格上の最大転送速度。)

  • 11b・・・ 11Mbps(2.4GHz)
  • 11g・・・ 54Mbps(2.4GHz)
  • 11a ・・・54Mbps(5GHz)
  • 11n・・・ 600Mbps(2.4GHz/5GHz)
  • 11ac・・・6.9Gbps(5GHz)
  • 11ax・・・9.6Gbps(2.4GHz/5GHz)

11nと11axは、2.4GHzと5GHzの両方で使われている規格です。11nをWi-Fi 4、11acをWi-Fi 5、11axをWi-Fi 6ともいいます。数字は世代を表しています。

11n以降は、複数のアンテナを使うMIMO(マイモ)や隣接するチャンネルを束ねて使うチャネルボンディングという技術が使われているため、転送速度が向上し比較的安定した通信を行うことができます。

転送速度に関しては、あくまで規格上の理論値であり 実際は下回ります。無線LANルーターによっては、外部にアンテナを複数付けて、可能な限り転送速度を上げて規格上の最大転送速度に近づけているものもあります。

無線LANルーター例:無線LANルーター。

この例では、acで866Mbps、nで300Mbps。実効速度は理論値より下回ります。


親機と子機がそれぞれの規格に対応している場合は、基本的に転送速度の速い規格が自動的に使われます。

例えば、11nや11axに対応している親機があり、子機側も 11nや11axに対応している場合、転送速度の速い 11axが使われます。一方、11nや11axに対応している親機があり、子機側が 11nや11aに対応している場合は、11axではなく11nが使われます。

接続済のSSIDのプロパティパソコンの接続済のSSID→プロパティ。


通信規格プロトコルに通信規格。

ネットワーク帯域に2.4GHzや5GHz、ネットワークチャネルに使用しているチャンネル、リンク速度にアクセスポイントと端末の通信速度など。


通信規格タスクマネージャー→パフォーマンス、Wi-Fi。

接続の種類に通信規格。

セキュリティ

無線LANの暗号化には、大きく分けて WEP、WPA、WPA2の3種類あります。

11nから無線LANの暗号化は、WEPやWPAではなくWPA2(あるいはWPA3)を使うことができるため、通信のセキュリティも大幅に向上しています。

WEP

WEPは、昔からあった暗号化の方式です。最も古い規格です。設定後も固定された暗号キーが使用されます。現在でも使用することはできますが、比較的簡単に解読されるといわれているため、特別な理由がない限り使用しないほうが無難です。

また、WEPは11gや11aでの接続になります。そのため転送速度も速くはありません。古い方式であり、旧モデルの無線LANルーターや無線子機、ゲーム機の接続に利用されています。

WEPを使用する場合は、MACアドレスフィルタリングなどセキュリティを高める方法があります。

WPA

WPAは、WEPに改良を加えた方式で、事前共有鍵である PSK(プリシェアードキー)やTKIPという技術が使われます。通信中に暗号キーを自動的に変更するため、解読は難しくセキュリティは強固となります。

WPAは、WPA2が登場するまでの無線LANルーターや無線子機でみられます。WPA2に対応していない無線LANルーターではファームウェアの更新でWPA2に対応できることがあります。

WEPと同様、11gや11aでの接続になります。脆弱性が指摘されているため、MACアドレスフィルタリングなどを検討すべきといえます。

WPA2

WPA2は、WPAの上位の方式です。WPAと同様 PSKやAESという技術が使われています。

現在主流の方式であるため、ほとんどの無線LANルーターや無線子機で対応しています。その他最近のゲーム機やスマートフォンも、ほぼWPA2に対応しています。

WPA2-PSK AES例:無線LANルーターの管理画面。

無線LANルーターでは、最新の規格である WPA2-PSK-AESが初期値となっていることが多くなっています。


ネットワーク内にWPAにしか対応していない機器がある場合は、WPA/WPA2-mixedを使うということも考えられます。

WPA/WPA2-mixedWPA/WPA2-mixed。


セキュリティの種類セキュリティの種類に、暗号化方式が表示されます。


一般用途・家庭用途で用いられる WPAやWPA2は、WPA パーソナル、WPA2 パーソナルともいいます。

最新の暗号化方式は、WPA3になります。SAEという技術が使われており、WPA3-SAEと表記されます。セキュリティは最も強固となります。

WPA3例:Android スマートフォン。設定→ネットワークとインターネット、接続済みのSSID。


11n・11ac・11axは、WPA2かWPA3での暗号化になりますが、親機と子機がともに、WPA3に対応している場合にWPA3による通信が可能です。