世代・性能が分かるチップセット

Z390、H170、X79、Z77、H77、B75、Z68などの英数字の組み合わせは、マザーボードに搭載されているチップセットを指しています。

チップセットは主に、CPUも手がけている IntelとAMDが作っています。

新しいチップセットが出ると、その提供を受けてマザーボードメーカーがマザーボードを作り市場に出します。チップセットは、マザーボードに搭載されているものであって、単体で市販されているというわけではありません。

このページでは、チップセットとは何か、チップセットの種類、CPUとの関係など主にIntelのチップセットを例に解説しています。

場所

チップセットは、ATXやMicroATXのマザーボード、またメーカー製パソコンにも必ず搭載されています。

マザーボード上のチップセットには、2チップ構成と1チップ構成のものがあります。

マザーボード以前のマザーボード、2チップ構成 ノースブリッジ(上)とサウスブリッジ(下)。


サウスブリッジ現在のマザーボード。Core iシリーズの登場から CPUがグラフィック機能を内蔵するようになり、従来のノースブリッジがなくなり 1チップ構成になっています。

Z270、H77、B75、Z68などは ここのことです。


ヒートシンクCPUほどではありませんが 発熱するためヒートシンクが上に取り付けられています。


チップセットヒートシンク下のチップセット。大規模集積回路であり LSIともいわれます。

ノースブリッジとサウスブリッジ

現在のチップセットは 1チップ構成ですが、以前は 2チップ構成でそれぞれのチップセットで役割が分担されています。

チップセットは、マザーボードに接続されている機器、例えばCPU、メモリー、グラフィックボード、LANなどのデータの受け渡しを管理しています。

2チップ構成

ノースブリッジ

ノース(北)なので、マザーボードの上にあるチップセットです。

ノースブリッジはCPUの近くにあります。このチップは、メモリーや内蔵グラフィック、グラフィックボードなど高速な処理が必要な部品を担当します。ノースブリッジがCPUに近いのは少しでも高速な処理を行うためです。

メモリーコントローラハブ 略して MCH、グラフィック機能(GPU)を内蔵しているものを GMCHといいます。

サウスブリッジ

サウス(南)なので、マザーボードの下にあるチップセットです。

サウスブリッジは、ハードディスク、光学ドライブ、マウス・キーボード、USB、LAN、オーディオなど比較的 低速でも問題が生じないデバイスを担当しています。

I/Oコントローラー・ハブ 略して ICHといいます。

PCH

現在のチップセットの構成です。

ノースブリッジは、Core iシリーズが登場した頃から CPUが担当することになりました。よってノースブリッジそのものがマザーボード上からなくなっています。

高速な処理をCPUが、それ以外をサウスブリッジが担当します。

1チップ構成

1チップ構成になってからは、ICHではなく Platform Controller Hub 略して PCHといいます。

Intel

マザーボードに搭載されてきたIntelの代表的なチップセットは以下はとおりです。(上が新、下が旧、太字はCPUソケット、右は対応するCPUの世代、対応メモリー。実際にマザーボードで使えるかどうかは、対応CPU、メモリーの確認が必要です。)

LGA1200

  • Z490・・・・・第十世代、DDR4
  • H470・・・・・第十世代、DDR4
  • B460・・・・・第十世代、DDR4
  • H410・・・・・第十世代、DDR4

LGA1151

  • Z390・・・・・第八世代、第九世代、DDR4
  • Z370・・・・・第八世代、第九世代、DDR4
  • H370・・・・・第八世代、第九世代、DDR4
  • B365・・・・・第八世代、第九世代、DDR4
  • B360・・・・・第八世代、第九世代、DDR4
  • H310・・・・・第八世代、第九世代、DDR4

LGA1151

  • Z270・・・・・第六世代、第七世代、DDR4
  • H270・・・・・第六世代、第七世代、DDR4
  • B250・・・・・第六世代、第七世代、DDR4
  • Z170・・・・・第六世代、第七世代、DDR4
  • H170・・・・・第六世代、第七世代、DDR4
  • B150・・・・・第六世代、第七世代、DDR4
  • H110・・・・・第六世代、第七世代、DDR4

LGA1150

  • Z97・・・・・第四世代、第五世代、DDR3
  • H97・・・・・第四世代、第五世代、DDR3、PCIe M.2スタート↑
  • Z87・・・・・第四世代、DDR3
  • H87・・・・・第四世代、DDR3
  • B85・・・・・第四世代、DDR3
  • H81・・・・・第四世代、DDR3
  • B81・・・・・第四世代、DDR3

LGA1155

  • Z77・・・・・第二世代、第三世代、DDR3
  • Z75・・・・・第二世代、第三世代、DDR3
  • H77・・・・・第二世代、第三世代、DDR3
  • B75・・・・・第二世代、第三世代、DDR3
  • Z68・・・・・第二世代、第三世代、DDR3
  • P67・・・・・第二世代、第三世代、DDR3
  • H67・・・・・第二世代、第三世代、DDR3
  • Q67・・・・・第二世代、第三世代、DDR3
  • B65・・・・・第二世代、第三世代、DDR3、SATAⅢスタート↑
  • H61・・・・・第二世代、第三世代、DDR3

LGA1156

  • H57・・・・・初代、DDR3
  • H55・・・・・初代、DDR3
  • Q57・・・・・初代、DDR3
  • P55・・・・・初代、DDR3、1チップ構成↑

Core iシリーズ、LGA1156の前のCPUソケットは、LGA775になります。

チップセットは、X48、X38、P45、G41、Q35、G31、P965、945Gなどがあります。対応CPUは、Core 2 Duo、Core 2 Quad、Pentium D、Pentium 4、Celeron Dなど。対応メモリーはDDR2。FSBという概念があり、それぞれのチップセットで対応しているCPUが決まってます。

LGA775の前は、Socket478でチップセットは、875P、865Pなどがあります。対応CPUは、Pentium 4やCeleron、対応メモリーはDDR。

チップセット名は、ノートパソコンでは HM57、HM67など モバイルのMが付くことが多くなります。デスクトップ版とチップセットの基本的な設計は同じですが、CPUソケットや詳細な仕様は異なります。

シリーズ名

チップセットは シリーズ名でよばれることもあります。上記のチップセットをシリーズにすると以下のようになります。

  • Intel 400シリーズ・・・Z490、H470、B460、H410
  • Intel 300シリーズ・・・Z390、Z370、H370、B365、B360、H310
  • Intel 200シリーズ・・・Z270、H270、B250
  • Intel 100シリーズ・・・Z170、H170、B150、H110
  • Intel 9シリーズ・・・X99、Z97、H97
  • Intel 7シリーズ・・・Z77、Z75、H77、B75

チップセットのシリーズが刷新されるときは、対応するCPUやCPUソケットも変更されることもあります。

CPUソケットが変更されず、第三世代 Ivy Bridgeや第七世代 Kabylake というCPUが出てきて、前シリーズでも使えるように一定の互換性が保たれることもあります。

AMD

AMDも、チップセットとCPUに役割があり、それぞれのチップセットに対応したCPUがあります。現在主流となっているCPUソケットは、Socket AM4です。

左がチップセット、右が対応するCPUの世代、メモリーはDDR4になります。実際にCPUやメモリーが使えるかどうかは、マザーボードの対応CPU・メモリーの確認が必要です。以下は AMDより引用。

Socket AM4

  • X570・・・・・第二世代・第三世代・第四世代
  • B550・・・・・第三世代・第四世代
  • A520・・・・・第三世代・第四世代
  • X470・・・・・初代・第二世代・第三世代
  • B450・・・・・初代・第二世代・第三世代
  • X370・・・・・初代・第二世代
  • B350・・・・・初代・第二世代
  • A320・・・・・初代・第二世代

AMDは、500シリーズ・400シリーズ・300シリーズということがあります。

対応CPUは、マザーボードメーカーのBIOSアップデートなどで変わることがあります。例えば、A320やB350で第三世代まで搭載可能なマザーボードもあります。またBIOSバージョンが古いと取り付けたCPUが動作しないこともあります。

Intelに比べると、チップセットとCPU、BIOSバージョンの確認など組み合わせに関してやや慎重に行う必要があります。

性能

同一シリーズでは、チップセットは性能別に分かれています。例えば Z170、H170、B150。また Z77、Z75、H77、B75のようにです。

オーバクロック、RAID、SATAⅢのポート数、PCI-Eのレーン数、NVMeスロットの転送速度など細かい性能に違いがあります。

単純に比較すると Z、H、Bの順番になります。Zが付くチップセットは CPUのオーバークロックができるようになっています。Hはハイパフォーマンス、Bはビジネス向けの略です。

すべて揃ってるのがZ、少し省いたのがH、必要最低限のものがBのようになります。ただBとはいっても、十分な機能があります。

また、H370とH310、H170とH110など 同じシリーズのHで数字だけ違うということがあります。この場合、H370から機能や拡張性を減らしたものがH310になります。このようなH110やH310は、主にMicroATXやMini-ITXのマザーボードで使われます。

AMDは、そのシリーズの上位はXの付くもので、次にBとAと続きます。PCI-Eのレーン数やSATAポート数などに違いがあります。

ハイエンド

IntelのX58、X79、X99、X299は、同じ世代のチップセットの中でも 性能が高いチップセットで、CPUソケットも異なります。

高性能、ハイエンドなパソコンで使われる特別なチップセットです。

  • X299・・・LGA2066、第六・第七世代 Skylake-X・Kaby Lake-Xなど
  • X99・・・LGA2011-v3、第四・第五世代 Haswell-E・Broadwell-E
  • X79・・・LGA2011、第二・第三世代 Sandy Bridge-E・Ivy Bridge-E
  • X58・・・LGA1366、初代 Core i7 900番台

トリプルチャネル(メモリー3枚1組)、クアッドチャネル(メモリー4枚1組)、グラフィックボード4枚使用など 通常のチップセットではできないことが可能であったりします。

取り付けることができるCPUが限られていて CPUソケットが違う、同じ時期のCore i7よりコア数が多いなどの特徴があります。

AMDのハイエンドのチップセットは、TRX40やX399で主流のものとは異なるCPUソケット、CPUが使われています。

グラフィックボード

チップセットによっては、グラフィックボードが必要なものもあります。例えば P67、P55、P45、P35、X99、X79、X58、X48、X38などです。

このようなチップセット搭載のマザーボードには、映像出力端子がないためグラフィックボードが必要になります。

またH57、H55、Q57は、CPU内蔵グラフィックで映像出力しますが、内蔵グラフィックがないCore i 700番台~800番台と組み合わせる場合は、グラフィックボードが必要になります。

チップセットやCPUの内蔵グラフィックの有無や、マザーボードの端子の有無など確認しなければならない時はあります。

最近のCPUは、グラフィック機能を内蔵しているので、グラフィックボードが必要かどうかを、ほとんど考える必要はありませんが、グラフィック機能のないCPUもあります。また、AMDはグラフィック機能を内蔵していないCPUが多いため、グラフィックボードと組み合わせることが多くなります。

チップセットとCPU

それぞれのチップセットには対応CPUがあります。通常 チップセットとCPUはセットになって出てきます。CPUだけ単体で出てきたなら 現在リリースされているチップセットで使うCPUということです。

チップセットとCPU

また必ず、Intel製のチップセットならIntel製のCPU、AMD製のチップセットならAMDのCPUになります。

自作パソコンにおいては特に、チップセットが決まればCPU群が決まる、CPUが決まれば チップセット群が決まるという相補的な関係、特異性のある組み合わせを、常に意識しておく必要があります。

CPU-ZCPU-Z、マザーボードのタブ。

上段のChipsetにCPUの世代、下段のSouthbridgeにチップセット。ここでは、第三世代のIvy BridgeのCPUと、H77のチップセット。


このように、マザーボードにはチップセットがあり それに対応するCPUがセットになって動作しています。