Windows 10の時代
自作パソコンでは、主にWindowsを使います。
通常は サポート期限内のOSを使うため、現在であれば Windows 8かWindows 10になります。
このページでは 自作パソコンで使われているOSに、どのような種類があり どのような形態で販売されているのか紹介しています。
種類
まずOSには シリーズ、エディション、32bit・64bitがあります。これは基本的に自作パソコンでもメーカー製パソコンでも共通です。
シリーズ
- Windows XP
- Windows Vista
- Windows 7
- Windows 8 及び 8.1
- Windows 10
エディション
エディションというのは、HomeやProのことです。
一般的に Homeが家庭向け、Proが事業所向けになりますが、厳密に決められているわけではないので、どちらでも使用することができます。
Vistaや7には、Proの上に Ultimateというエディションもありましたが、Windows 10では、HomeかProいずれかを使います。
32bit・64bit
OSが一度に処理できる情報量が32bitか64bitかになります。そのため64bit OSは、4GBを越えるメモリーを認識して管理できます。
32bit OSの場合、メモリーを8GBとか16GBにしても増設は可能ですが、OSが認識できないため 実質メモリーは4GBまでになります。
また起動が速いなどの特徴がある UEFIモードでのインストールは、64bit OSのみ対応しています。
XPの時代は 32bitが主流でしたが、Winodows 7以降は 64bitがよく使われるようになっています。
プロダクトキー
OSが入っているメディアは、XPではCD、7や8ではDVDでしたが、Windows 10では、DSP版がDVD、パッケージ版がUSBフラッシュメモリーになっています。
また、Windows 10ではオンラインコード版もあり、オンラインコードのみ購入し プログラム本体は、Microsoftからダウンロードして イメージファイルとして書き込み、インストールに使うこともできます。MicroSoftのサイトで、USBフラッシュメモリーやDVDのインストールメディアを作成するツールも用意されています。
OSインストールでは、使用する媒体、例えば DVD、USBメモリーなど どのような方法でインストールするかというのは、あまり関係ありません。最も重要なものは プロダクトキーになります。
印字されているプロダクトキー。
インストール中やインストール後にプロダクトキーを入力し、その後 認証を行います。再インストール時でも使用するのでなくさないようにします。
DVDやUSBメモリーなどの媒体を購入しているというより、プロダクトキーを購入しているという感じになります。
10へのアップグレード
Windows 7や8.1で使用していたパソコンは、Windows 10へアップグレードすることができます。
この場合、Microsoftのサイトから MedeaCreationToolをダウンロードして実行します。
MedeaCreationTool。
「このPCをWindows 10にアップグレードする」を選択。
アップグレード後、Windows 7や8.1のライセンスによって Windows 10のライセンスが有効となり使用できるようになります。
Microsoftに公開されている情報がすべてであり、内容をよく確認して行います。事前に重要なデータなどのバックアップなどは行っていたほうがよいでしょう。
10に正式に対応していなかったマザーボードでは、マザーボードメーカーでWindows 10用のドライバが公開されていませんが、グラフィック、LAN、オーディオなど主要なドライバは、Microsoftでも公開しているため、アップグレード後はドライバが適用済みになっていることがあります。必要であれば、デバイスマネージャーでドライバの更新や、Windows Update、またWebで検索して手動でインストールというかたちになります。
マザーボードやPCによっては、ドライバが一部適用されない、もともとインストールされていたソフトウェアが正常に動作しないなど何らかの制約が出る可能性はあります。
基本的にWindows 10へのアップグレードでは、Windows 7 Home Premiumなら Windows 10 Home 、Windows 7 ProならWindows 10 Proのようにエディションが引き継がれます。
BIOSブートのWindows 7や8.1は、Windows 10にアップグレードしてもBIOSブートです。UEFIブートのWindows 7や8.1は、Windows 10でもUEFIブートになります。
システム要件
システム要件、つまりWindowsをインストール・使う上でのハードウェアの条件はあるのか?というところですが、ほとんどないと考えていいでしょう。
Windows 10を使用するためのシステム要件・スペックは概ねこのようになっています。
- CPU・・1GHz以上
- メモリ・・2GB以上
- HDD・・32GBの空きスペース
- グラフィック・・Microsoft DirectX 9 グラフィックス デバイス (WDDM ドライバー付き)
例えば、Core 2 Duo、Windows 7で使用していたようなPCでも10にアップグレードして使うことができます。ただ、ある程度ユーザビリティを考えるなら、OSは64bit、ストレージはSSD、メモリーは8GB以上などが適切です。
前述したように、マザーボードの主要なデバイスにドライバが適用されるかどうかという問題があるため、世代の古いマザーボードでは確実にWindows 10で使用できるかというと実際にアップグレードしてみなければ分からないところがあります。
再インストール
自作パソコンでは、パソコンを初期化するという場合、Windowsの再インストールという作業になります。この時に再度 インストールで使用したディスクを使います。
Windows 10にアップグレードしたPCでは、MedeaCreationToolから「別のPCのインストールメディアを作成する」でISOファイルをダウンロードして インストールディスクにすることができます。
ただ、Windowsの再インストールはやや手間がかかります。Windowsのインストールはそれほどではないにしても、ドライバのインスール、Windowsのアップデート、応用ソフトウェアのインストールなどすべてやり直す必要があります。
そのため、いくつかの主要な時点、例えば Windowsとドライバインストール後、一定期間利用後などで、イメージバックアップを行っておくという方法があります。
Windowsが何らかの理由で起動しない、正常に動作しないという時に、ある時点に遡ってOSやソフトウェアを復元するということができます。
イメージバックアップが万全のものであるとはいえませんが、リカバリーディスクの代替としての機能、復元スピードの効率さなどから利用されることはあります。
復旧に関連することとしては、他に復元ポイントの作成、データのバックアップなどがあります。
修復ディスク
Windowsのインストールディスクは、修復ディスクとして使うこともあります。
OSインストールと同じように、ディスクから起動させると、インストール開始画面で左下に、コンピューターを修復するという項目があります。
トラブルシューティングを選択。
システムの復元、スタートアップ修復などのメニューがあります。
Windowsが起動しないときに使うことがあります。このディスクは、OS上で作成する システム修復ディスクと同等のものになります。作成していない場合には、OSのインストールディスクを使うことになります。
オフィススイート
Windowsは基本ソフトウェアで、Officeは応用ソフトウェアになります。WindowsにOfficeが付いているというわけではありません。別途用意する必要があります。BTOパソコンでも、Officeはオプションとして選択します。
文書作成、表計算などのソフトウェア群を、オフィススイートともいいます。
代表的なものは、MicrosoftのOfficeになります。一年ごとに更新する Office 365、パッケージ版のOfficeがあります。
近年はOfficeも、プログラムをMicrosoftからダウンロードして、キーを入力するだけという形態になっています。MicroSoft アカウントが必要になることがあります。
他に、フリーの OpenOffice、LibreOffice、低コストの Kingsoft Officeなどがあります。Kingsoft Officeは、中古パソコンショップやBTOパソコンメーカーで使われることがあります。
MicrosoftのOfficeと他のOfficeは、一定の互換性はありますが、完全な互換性があるというわけではありません。
インストール方法
自作パソコンでは、主要なパソコンパーツを組み立てた後、DVDやUSBメモリーから OSのインストールを行います。
パーツの組み立てが終わり BIOSの起動もできるなら、あとはDVDやUSBメモリーからブートさせます。
BIOSで、光学ドライブやUSBメモリーを起動させるように設定すれば、インストールが開始されます。
インストールは、ウィザード形式で進みます。
64bit OSで、マザーボードがUEFI対応なら、UEFIインストールすることができます。
例えばASUSのマザーボードなら、64bit OSのインストールディスクの入ったドライブやパッケージ版のUSBメモリーに UEFIマークが付きます。
ここから起動させて、SSDやハードディスクにインストールを行います。
UEFIでのインストールは、起動ディスクがMBR形式ではなくGPT形式でフォーマットされる、起動が速い、2TBを超えるディスクを起動ディスクにできるなどの特徴があります。
販売形態
自作パソコンで使用するOSには、DSP版とパッケージ版があります。
DSP版は、バンドル版といい マザーボードやCPU、光学ドライブなど何か他のパソコンパーツと一緒に購入し、それによって使用することができるようになっています。
Windows 10 DSP版。
近年は、簡易な包装(LCP)にインストールディスクとプロダクトキーが付いています。
Winsows 10 パッケージ版。
パッケージ版は、OS 単品で販売されているものをいいます。USBメモリーとプロダクトキーが同梱されています。
DSP版のようにパーツとの同時購入などの制約はありません。
一般的に、DSP版は、32bit、64bitと分かれており、パッケージ版は、32bitと64bitが両方含まれています。OSを購入する際は、32bitか64bitかの確認が必要です。
OSは、Microsoftによって製造・販売されていますので、いつからいつまで販売されるかは その時次第です。例えば Windows 8はOSのサポート期間内ではありますが、Microsftの新規での製造・販売はされておらず、流通しているのは 在庫品や中古品になります。
次期OSが出る前になると、現在のOSの製造・販売は停止すると考えます。
2020年 現在人気のOS
Microsoftから製造・販売されているものは 現在 Windows 10のみになります。
Windows 7やWindows 8・8.1は中古市場などで流通しています。8と8.1は 同じ Windows 8系ですが別々に販売されていました。
HomeとProは、HomeよりProの方が少し価格が高くなります。32bitと64bitに関しては やはり64bitのほうが人気があります。
最新のOSでサポート期間が長いこと、CPUとの兼ね合い、UEFI対応を考えると、Windows 10 64bitが無難です。CPUのKabylake以降は、Windows 10のみが正式サポートとなっており、マザーボードも対応OSが、Windows 10 64bitのみとなっていることがあります。