CPUの取り付け場所

マザーボードのCPUを取り付ける箇所を、CPUソケットといいます。

CPUソケットは、LGA1155、LGA1150というように形状やピンの数が異なるものがあります。マザーボードにCPUを取り付ける場合は、マザーボードのCPUソケットとCPUの規格が同じである必要があります。

CPUもマザーボードもパッケージに、ソケット名が記載されています。

このページでは、CPUとマザーボードのCPUソケットとは何か? IntelとAMDのCPUソケットの実例を交えて解説しています。

Intel

IntelのCPUに対応したCPUソケットは、代表的なものに 以下のものがあります。(上が旧、下が新)

  • Socket478
  • LGA775
  • LGA1156
  • LGA1155
  • LGA1150
  • LGA1151(第六世代・第七世代 CPU対応)
  • LGA1151(第八世代・第九世代 CPU対応)
  • LGA1200
  • LGA1700

一部のハイエンド向けのマザーボード・CPUでは、LGA1366、LGA2011、LGA2011-v3などのCPUソケットが使われています。

このCPUソケットは、自作パソコンに限ったことではなく、メーカー製のデスクトップパソコンでも同じです。ノートパソコンの場合は、モバイル用のCPUとCPUソケットになるため、別の規格・名称になります。

CPUソケットの数字はピンの数を表しています。数字が大きいほど世代が新しいというわけではありません。また、マザーボード側のCPUソケットとCPUのソケットが合致しても、必ず動作するというわけではありません。

Socket478Intel Socket478(ソケット478)。

一昔前のCPUソケットで、CPU側がピンになっています。ピン数 478。


Socket478のCeleron DとPentium 4に対応。


LGA775Intel LGA775。

CPUソケット側がピンになり、CPUに接するようになっています。ピン数 775。


対応する主なCPUは、Celeron D、Pentium 4、Pentium D、Pentium Dual Core、Celeron Dual Core、Core 2 Duo、Core 2 Quadなど。チップセットは、X48、X38、P45、G45、Q45、G41など。

FSBの概念があり、ソケットが合致しても CPUが対応していないということがあります。

LGA1156Intel LGA1156。

第1世代のCPUに対応。ピン数 1156。


対応する主なCPUは、Pentium G6960、i3-530、i5-660、i5-750、i7-870など。チップセットは、P55、H55、H57など。i7 900番台は LGA1366、X58でLGA1156とはソケットとチップセットが異なります。

LGA1155Intel LGA1155。

第2世代 Sandy Bridge・第3世代 Ivy BridgeのCPUに対応。


チップセットは、Z68、P67、H67、H61など Intel 6シリーズ、Z77、Z75、H77、B75の7シリーズ。

LGA1150Intel LGA1150。

第4世代 HaswellのCPUに対応。


チップセットは、Z87、H87、B85、H81など Intel 8シリーズ、Z97、H97の9シリーズ。9シリーズは、第5世代 BroadwellのCPUに対応。

LGA1151Intel LGA1151。

第6世代・第7世代のCPUに対応。


チップセットは、Z170、H170、B170、H110など Intel 100シリーズ、Z270、H270など200シリーズ。

LGA1151Intel LGA1151。

第8世代・第9世代のCPUに対応。


チップセットは、Z390、H370、B360など Intel 300シリーズ。第6世代・第7世代のCPUと互換性はありません。例えば、このLGA1151に第6世代や第7世代のCPUを取り付けても動作はしません。

LGA1200Intel LGA1200。

第10世代・第11世代のCPUに対応。


チップセットは400シリーズと500シリーズ。400シリーズのB460やH410は第11世代のCPUと互換性はありません。

また第12世代・第13世代は、LGA1700になります。チップセットは600シリーズと700シリーズ。

CPUソケットは見た目ではほとんど判別が付かないときもあります。基本的にマザーボードの仕様書やチップセットで分かります。

また、動作しているパソコンのCPUのソケットが分かれば、対応するマザーボードのCPUソケットも同じになります。

CPUソケットの表示例:CPU-Z、CPUタブ。

この例では、CPU・マザーボードともにLGA1155となります。

AMD

AMDの主流となっているCPUソケットは、Socket AM4です。CPU側にピンがあるのが特徴です。

Socket AM4AMD Socket AM4。


第5世代のCPUは、Socket AM5という新たなCPUソケットとなります。AM5は マザーボード側にピンがあり、Intelと同じになります。

AMDはCPUソケットの一致だけでは、動作しないことが多くなっており、チップセットとCPUの対応がより重要になります。またチップセットとCPUの対応の他、マザーボードメーカーのBIOSアップロードで対応しているかどうかも確認が必要なことがあります。

互換性

CPUは、第2世代と第3世代がLGA1155、第6世代と第7世代がLGA1151のように世代が変わってもCPUソケットが同じであることがあります。

例えば、第2世代と第3世代のCPUでは、チップセットは Intel 6シリーズと7シリーズで、CPUソケットはともにLGA1155です。この世代間では 基本的に互換性があります。

つまり、第2世代のCPUを第3世代のマザーボードに取り付けたり、第3世代のCPUを第2世代のマザーボードに取り付けたりすることができます。

第6世代と第7世代のLGA1151、第8世代と第9世代のLGA1151でも同様です。

しかし、基本的な互換性はあるものの、互換性を保つためにマザーボードのメーカーがBIOSのアップデートを公開するまで少し時間がかかったり、マザーボードによっては、対応するCPUが限定されるということもあります。

そのため、パソコンを自作する際やCPUの交換を行う際は、物理的な形状のCPUソケットだけの確認だけではなく、チップセットでの確認、マザーボードメーカーのWebサイトなどで対応CPUを必ず確認するというのが、一般的な方法となっています。

切り欠き

CPUの取り付けでは、CPUのマークが付いている部分を、ソケットの左下にくるように合わせます。IntelのCPUは、CPU側に切り欠きがありソケットと合うようになっています。

LGA775とCPULGA775の例。


LGA1155とCPULGA1155の例。


Sokect AM4とCPUSokect AM4の例。

AMDのCPUには、切り欠きはありません。


Intelは、CPUソケット側にピンがあり 精密な構造となっています。

ここに異物が入り込んだり、CPUの着脱の際にCPUを落としたり、ピン上でCPUをずらしたりすると、ピンが曲がることがあります。ピン曲がりともいわれます。

IntelもAMDも、CPUやマザーボードの取り扱い、CPUの着脱、取り付けの際は慎重に行う必要があります。